人の目で、レンズの役割をしている水晶体は、加齢と共に白く濁ってきます。老人性白内障と呼ばれ、白髪や皮膚のしわと同じで、個人差はあるものの、誰でも起きる現象です。早い人では 40 歳代から始まり、 80 歳代になると大部分の人に白内障の症状が見られるようになります。
加齢以外にも、外傷、先天的なもの、薬剤の副作用、他の病気によるものなど、白内障には多くの要因があります。放射線を目に浴びてしまった場合にも白内障になります。広島や長崎で被爆した方の中には多くの原爆性白内障が報告されています。
水晶体の濁りは、眼がかすむ、ぼやける、まぶしく感じるなどの自覚症状となってあらわれます。点眼薬などで進行を遅らせることは可能ですが、視力を回復することはできません。日常生活に支障が生じるほど見えにくくなったら、手術で水晶体を眼内レンズと交換することができます。最近では一般的な手術となり非常に安全なものとなったので、不自由を我慢せず、受診してほしいと思います。 |